*** 「わっ、雪だ…!」 少しずつ空から落ちてくる雪を見上げながら 私は喜ぶ。 “陸!” そう呼ぼうと隣を見ると、 「雪…か…。」 陸はそう呟いて 何故か寂しそうな、苦しそうな顔をしてい た。 「…陸…?」 「…っああ、すまん。何でもない。 ゆっ雪きれいだなー」 「何でもない訳ないじゃん。 嘘つくの下手すぎだし。 そんな雪嫌い?」 嘘をつく陸にムッとした表情で私は言った。