この際嫌いな奴でも誰でもよかった。 誰でも… 「川崎」 清水の目線を追うと、あの子。 部活のときとは違った雰囲気の川崎さんがいた。 「川崎!晃彦に数学教えてやってよ」 清水の声に反応した彼女は、近づいてきながら言った。 「あたしなんかでいいの?」 「クラスで首位争いしてるお前だから頼むんだろ」 …クラスで首位? 驚く俺に清水が言う。 「俺も前教えてもらってかなり上がったから。期待できると思うよ」 「……よろしくお願いします」