待ちに待ったクラス替え。 必死に探した名前。 親友の清水よりも、野球部の奴らよりも先に探した。 『川崎菜月』 その文字は俺と同じ三年六組。 「清水〜!」 二階の三年の教室から、あの子の声。 「よろしくね!」 清水に向けて掛けられた言葉。 俺もその中に入りたくて、いつもの調子で入り込む。 「川崎さん俺によろしくはぁ?」 彼女は笑って手を振った。