糸でんわの恋ゴコロ




「ねぇ梓衣。せっかくだからマネージャーしちゃえば?」

「へっ!?」


心愛ちゃんが小声で話しかけてくる。


「洸の弓道してる姿近くで見れるチャンスだよ?」


ちらりと洸くんを盗み見ると、聖くんとあかりちゃんにいじられている。


「で、でも………」


「梓衣ちゃんは部活どうするのー?」


洸くんで遊び飽きたのか、今度は私に話を振ってきた。

というかこのタイミングで!?

さすが聖くん……キングオブKY。



「で、梓衣。どうするの?」


心愛ちゃんがニヤニヤしながら見てくる。

その隣であかりちゃんも同じ表情をしている。いつの間に話を聞いたんだろう。



「わ、私は………」


そこまで言って洸くんを見る。

洸くんは興味なさそうに惣菜パンを頬張っている。








「………家庭部に入るっ!!」

「……は?」


自分の口から出たのはまさかの家庭科部。

心愛ちゃんが「あり得ない……」って目で私を見る。
違うの!なんか口が勝手に……。


訂正しようと思い、私が口を開こうとするよりも先にあかりちゃんが口を開いた。



「じゃー私も家庭科部入るね!」

「………え?」

「お菓子の作り方覚えて新に作ってあげるんだー♪」

「そ、そう………」



「ね、新♪」と黙って漫画を読んでいた風見くんの方へ話を振るあかりちゃん。

これじゃ訂正どころか入部決定だよー……。
心愛ちゃんをどうしようという意味もこめて見ると、ため息をつかれた。


「…………バカ」




ごもっともです。