「だからあかり、ザキくんってのは止めろ」

「なんで?可愛いじゃん。ね、梓衣?」

「へっ?あ、うん」


いきなり私に話を振らないでよ!風見くんが暇そうに欠伸をしている。わ、機嫌悪そう……。



「ほらあかり、新が暇そうにしてるぞ。構ってやれ」

「はぁ!?べ、別に俺は……」

「新~♪」


目の前で広がるラブラブオーラから目を背けたくなったのは私だけではないはず。洸くんだって苦笑いだし。


「行くぞ」

「へっ?」

「もうちょっとで予鈴鳴るぞ」

「あっ!」


中庭の時計は予鈴の時間を指していた。これじゃあ遅刻扱いになっちゃう!


「あかりちゃん、先に行ってるね!」

「はぁい!!」


私は洸くんと一緒に教室まで走った。


……なんか、青春ってかんじ!