探しているのはもちろん稔だ。




昨日、稔たちが先に施設へ戻った後、柚菜は担任に話を聞かれた。
ふざけていたら足を滑らしたと言ったものだから、説教までさせられた。


そのため、あれ以来話していない。







「柚菜、あそこっ!」



佳代が指差した先にいたのは、楽しそうに話す稔と…同じく2年の女子だった。





そんな光景を目の当たりし、柚菜の心は沈んだ。

いわゆるヤキモチというものだろう。





「…あーゆうのって浮気?」



柚菜が不機嫌そうに聞くと、佳代は応えに困りながら苦笑いをした。


「いや。…違うんじゃ、ないかな?」







浮気じゃなかったとしても、他の女の子と話をされるのは嫌。
それにもの凄く楽しそうだし…


先輩、モテるから心配だなあ。