Dear.My Heart

「はぁ、」



柚菜は大きくため息をついた。



しかし思いは消えることなく、胸の奥に残るばかりであった。






辺りにはカップルがたくさん座っている。
そんな中、柚菜はただ独りでいるのだ。





稔と連絡をとる気力がない彼女の手には、風によって掻き消されたロウソク…

こんなのやる必要ない。
彼女はそう思いつつも、稔が来てくれるのを心のどこかで期待していた。