その頃、稔はそんな彼女の気持ちを知らず、萌香と一緒にいた。
「稔~、待ってよっ」
人ごみの中、萌香は彼の姿を逃さないように、必死に後をついていった。
焚き火の光だけで照らされるグラウンドは、妙に薄暗く、変なムードが漂っていた。
「あのさ、いつまでいるの?…早く“あいつ”んとこ行けって!」
服の裾を掴む萌香に対し、稔は呆れたように言った。
すると萌香は頬を膨らまし、軽く彼を睨んだ。
「…あっそ。分かったわよ!!」
パッと手を離したかと思うと、今来た道を逆戻りした。
…稔は複雑な気持ちに包まれていたのだ。
彼女がいる俺。
彼氏がいる萌香。
俺らはただの幼馴染…
そう思っているのはお前だけ、
俺はずっとお前が好きだった。
やっと元に戻れそうになった時に限って、お前はいつも愛想を振り撒く。
俺にも忘れる時間くらいくれよ…
「稔~、待ってよっ」
人ごみの中、萌香は彼の姿を逃さないように、必死に後をついていった。
焚き火の光だけで照らされるグラウンドは、妙に薄暗く、変なムードが漂っていた。
「あのさ、いつまでいるの?…早く“あいつ”んとこ行けって!」
服の裾を掴む萌香に対し、稔は呆れたように言った。
すると萌香は頬を膨らまし、軽く彼を睨んだ。
「…あっそ。分かったわよ!!」
パッと手を離したかと思うと、今来た道を逆戻りした。
…稔は複雑な気持ちに包まれていたのだ。
彼女がいる俺。
彼氏がいる萌香。
俺らはただの幼馴染…
そう思っているのはお前だけ、
俺はずっとお前が好きだった。
やっと元に戻れそうになった時に限って、お前はいつも愛想を振り撒く。
俺にも忘れる時間くらいくれよ…

