Dear.My Heart

「あ、…あれ」


柚菜は人ごみの中を指差した。
生徒たちは皆、ロウソクを片手に並んでいる。




先頭を目で追うと、先生や施設の人がライターで火を付けていた。






「もう付ける?」

「うん…そろそろ始まっちゃうし!」





そして2人はその列の最後尾に並び、携帯をいじり始めた。

受信ボックスには稔からのメールはなく、柚菜は気を落とした。











ふと頭によぎる、あの夢…










柚菜は薄々気付いていたのだ。




今でも稔は、下山萌香が好きだということを…