Dear.My Heart

「あれ~っ!稔の彼女??…かわいー!!」



すると、萌香が馴れ馴れしく話し掛けてきた。





柚菜はじっと彼女を睨み、佳代と一緒に歩いていった。










「何あの子?…うざいんだけど!」


萌香は腕を組みながら稔に言った。




そして稔は、ただ何も言わずに、歩き去ってゆく柚菜の背中を見ていた。








彼には柚菜を追いかけることも、萌香に謝ることも出来なかった。












自分が本当に好きなのはどっちか。
稔はひたすら、悩み続けるだけだった…

それが柚菜を傷付けていたなど知らずに。