Dear.My Heart

稔はどんどん歩いていき、人目のつかないところまで来た。








木が聳え立つ林の奥だ。
落ちた小枝が2人の行く手を阻んでいる。









「…先輩?」





柚菜がそう言うと、稔は体ごと振り向いた。
ずいぶんと機嫌が良さそうだ。




柚菜は一歩だけ後退りした。








「別にそんな、変なことしねぇから」
「そういう意味じゃなくて!気持ち悪いんだもん」



柚菜は口が過ぎたことに対して後悔し、目をしどろもどろさせた。