゛頑張って゛


と言って梨茉は静かに微笑んだ。


ありがとう…梨茉。
梨茉さんがいなかったら、あたしはいじめを何とも思わなかったし、いじめはとても酷い事…とか考えもしなかった。

梨茉は、いじめは酷いことって…教えてくれた。


あたしは有希に…謝らなくっちゃ。
そして、守ってあげなくちゃいけない。

私は有希の肩をトントン、と二回たたいた。

有希はおびえた顔でこちらを見ている。

有希…ごめんね。

そんな顔、させちゃって。

「有希…ごめんね。」


教室の空気が…変わった。

穏やかなだった教室が、まるで氷のように…凍り付いた。