いえない


「おい、薫課題写すからちょっと速く歩こう」

「え、やだよ、カバン重いもん。
ゆっくり行こうよ」

「じゃあ俺が持つ。
ほら、行くぞ」

「えっ?! ちょっと待ってよ太朗!」

太朗は私の手から少し乱暴にカバンを取った。

教科書とかいっぱい入ってて重いはずなんだけど……やっぱり男の子はちが……

「薫、お前どんだけ教科書いれてんだよ。
さすがの俺でも重いんだけど笑」

「んー、全部入ってるからなー。
ま、とりあえず早く行こ!
課題写すんでしょ?」

「お前なぁ……まぁいっか」

何だかんだ言って優しいところとか、好きなんだと思う。

「ふふっ、ありがとう、太朗」

「ん? あぁ、いーよ別に。
ほら、課題写させてもらうし、お礼」

「え、やだ。
写させてあげるから放課後ジェラート奢って」

「はぁ?! またジェラートいくのかよ」

「いーでしょ!
私あそこのジェラート好きなんだもん」

「しょーがねぇな、放課後な」

「うそ、ほんと?! やったー!」

ジェラートが大好きなのは本当。
ジェラート食べたいのも本当。
でも、1番は太朗と出掛けたいっていう願望??笑