*taro side*

……あいつと、薫とでかけられて内心嬉しい俺。

俺に向けられる笑顔を見ると、心臓がえぐられる。

どうせ、薫は俺のこと"ただの男友達"だとしか思ってないんだ。

俺は……できればこの関係を壊したくない。

でも、このままつったってるだけだと、だれか他の奴に薫が取られるんじゃないかって。

だから、俺は決めた。

薫に俺の気持ちを言うって。

これで今のままでいられなくなるんだったら、それだけの関係だったんだ。


ジェラート屋の店長に言われたんだ。

『ねぇ、君とあの女の子、付き合ってるの?』

『え、なんで、ですか?』

『だって、いっつも2人で来てるし、違うの?』

『……いや、俺の完全片想いっす。』

『へぇ、言わないの?』

『言ったら、絶対この関係崩れるじゃないすか。
だったら、このままの方がいいかな……なんて』