「これで分かった?
陽菜のことは諦めるといいわ!」
友華がまるで悪役のように言う。
後ろに悪魔が見えるよ、友華・・・。
「陽菜の好きな人って一体、誰?」
「え・・・?」
急に蒼君に言われて私はビックリしてしまう。
「答えて、陽菜・・・。」
真剣な顔で言う蒼君に私も真剣な態度で挑まなくちゃと思った。
「あ、蒼君が知ってるかは分からないけど・・・バスケ部の先輩でね。
春原和輝先輩って言うんだ・・・。」
「春原和輝・・・。」
目を大きく見開いて和輝先輩の名前を言う蒼君に、私は知ってるのかな?と首を傾げた。
転校してきたばかりだから知らないとは思うんだけど・・・。


