「大方、いつもは振り向いてくれない春原先輩も卒業式というマジックによって引っかかってくれるかな?って所でしょ。」

「マジックって・・・。」

「卒業式はマジックだよ!
普段、言えないことも今なら言えるってね?」




力説する友華を横目に私は冷や汗を流した。


こ、この中に私は突入しなくちゃいけないってことだよね?


女の子達を見て私は涙目になる。



む、無理だよ・・・。



自分にこの中に進む勇気は無い。




「ってことで、頑張れ!」

「ゆ、友華!!」




丸投げされてしまい私は泣きそうになった。


女の子の目を見ると皆、本気だということを理解した。



こんなにたくさんの女の子が先輩を好きなんだ・・・。


私はその中の一人に過ぎないのを気づかされる。



でも、この中に入って行かなくちゃ話は進まない。