「もう、この際だから言うけど・・・。
陽菜はあんたのことが好きだよ。」

「それは、聞いた・・・。」

「陽菜が春原を好きになったきっかけはほんの些細なことだった。
ただ、あんたが部活している姿が好きで知らない間によく見るようになって・・・それで好きになった。
もう、2年くらい前。」

「そんなに、前から陽菜ちゃん・・・健気だな。」

「そうだよ。うちの部は皆、陽菜が春原を好きだって気づいているのに陽菜は気づいていないと思い込んでいて可愛かったけど。
まぁ、あんたもそれは同じだけどね。
だからってあんたは可愛くないから。」




勘違いしないでよと言って笹田は軽く溜め息をついた。


正直、そんなに前から陽菜が俺のことを好きだとは知らなかった。



陽菜の存在に気づいたのは2年前。

俺が陽菜と話し出したのは1年前。


ほんの1年の間のことなのにたくさん色々なことがあった気がするな・・・。




「正直、あんたの今の思いはどうでもいい。
ただ、陽菜を好きって気持ちがあればね。
春原はそれを陽菜に伝えるだけでいいんだから。」

「伝えても・・・いいのか?」




男のくせに震えた声で言うと架李がまた俺の頭を叩いた。