「話さないと駄目だよ。」

「そうだね・・・。」

「もう、卒業式が近いんだから・・・。
これを逃したらもう会えなくなるかもしれないんだよ。」




友華の言葉が私に突き刺さる。


先輩は推薦で教育の大学に受かったと友華が言っていた。


そうだ、卒業したら和輝先輩には会えないんだ・・・。




「陽菜が、何を悩んでいるのか大体分かるけど前に踏み出さないと始まらないよ!」

「分かってる・・・。分かってるけど・・・怖いんだもん。」




本音がポロリと出てしまった。


あの、文化祭のとき蒼君が私の先輩への気持ちを話してしまった時・・・自分の中で終わったと思った。



最初は恥ずかしいと思って赤くなっていたけど、先輩の信じられないといった顔を見たとき自分がどれだけ浅ましい思いだったか理解した。


きっと、先輩は妹みたいな存在だと思っていた私が先輩のことを好きだなんて思わなかったんだ・・・。


だから、あんな顔をして私を見ていたんだ。



あの時のことを思い出して涙が出そうになる。