「入って」


そう促されるまま入ると彼の脇をかすめ、彼の香りが近くに感じた


「おじゃまします」



家の中は彼と私以外いなく、家族はいない

つまり二人きり



まあ、家族がいるときは私を呼べないけど



彼は無言のまま自分の部屋に向かう
私も無言でついていく


この無言が私にとっては心地良かったりする



部屋に入るといつもの殺風景なインテリアが目に入る
その中で一際異彩を放っているのが可愛いキャラクターのぬいぐるみ

私は、そのぬいぐるみがなるべく目に入らないようにこの部屋で過ごしている



彼がベットに腰を掛けると私も隣に腰を掛ける