私と葵は部活が同じだ


正確に言うと、葵はバスケ部部員で私はバスケ部のマネージャーという関係

だから、私達が付き合い始めても誰も不思議には思わなかった
部員とマネージャーが付き合うことは良くあることみたいだから



「明日は普通に朝練あるじゃん」


「もちろん」


「あー、ダルイな。眠いし」


「頑張れ頑張れ。もうすぐ大会だよ」


「そうだった。すっかり忘れてた」


「もう、しっかりしてよね」



こんな会話を笑顔で話している
もちろん向こうも笑顔だ



駅に着くと


「私今日は用があるからここで」


「あ、そうなんだ。じゃあ明日」



ここで俺も着いていくよと、言わないあたりが私達の関係を大きく主張している

まあ、所詮こんなものなのだ



「うん、ばいばい」


「じゃあな」



パッと手が離れる瞬間ホッとした
いつもこの瞬間にほっとする自分がいる
何かに罪悪感を感じているのだ



その罪悪感は一体誰に対してなのか