†琴美side†

桜山 琴美。12歳。

ランドセルを背負って学校へ向かう。

たまに、学校行きたくない時もある。

どれだけ嫌でもキミがいるから重たい足を運んで学校へ行く。

教室のドアをあけ一歩足を踏み入れる。

「琴美!おはよ〜」

「沙月、友奈おはよ」

「ねぇ!再テスト、返されてたけど琴美何点!?」

「んーとね、ぁ!やったぁぁ!96点♪♪」

「ぇー、いいなぁ!ぅちまた不合格」

残念そうに沙月が言う。

それに続き友奈がため息をついた。

「ぅちなんか74点だよっ!?」

沙月達と話していると男子が来た。

「桜山、合格!?」

「そーだよ」

「ちょっと教えて」

「いーよ」

「なぁ、これどうやって求めんの?」

「んーと、時速から分速にするには60でわる」

「そーなんだっ!」

隣では沙月が

村田 光に教えている。

…あたしのスキな人。

なんでだろ…沙月は普通に話してんのに

なんで、あたしは話せないの?

「おっはよ〜、」

「おはよ。」

挨拶したきたのが、浅野 遥希

まぁ、仲のいい男友達?ってとこ。

コイツは沙月のスキな人。

だから手は出さない

それから、チャイムがなって席についた

「はよー」

先生が入ってきた。

田口 大輔先生。

まぁ、かっこよくて面白い先生。

けっこー人気者

「おい、琴美。なにぼーっとしてんだ。」

「…ん?」

「そーだお前、この前のテストで激しいを、激いって書いてたぞ?」

「うっそ!」

「はげいってなんだ」

「ちょっと、先生!やめてよーっ」

その瞬間皆が笑い始めた。


「ぅわ、先生の事すきなの?」

「ひくよねー」

「てか、アイツ村田にふられてるんでしょ?」

後ろから聞こえてくる声、

おいおい聞こえてますよーっ

愚痴はばれないように言うもんでしょ?

それともわざと?

別に、気にしないし。こんなの、

…きにっしないし…っ

なのに、なのに、

なんで目から涙がこぼれてくるの?

別にどぅも思わないのに………

「…っう……ひっぐ………っ〜」

きっと、涙が止まらない原因は

ふられたことを今、教えたのが村田だから…

…なんで?なんでそんなんになっちゃったの?

…前はあんなに話しかけてくれたじゃん。

手つないで帰ったじゃん。

「琴美?どーした?」

「…なんもっない」

「なんもないわけないだろ?皆、自主ね」

先生に連れられて空き教室に来た。

「んで、どーした?」

「…なんも…っないもっん」

「んなわけないでしょ、言いたくないなら言わなくていいけど教室戻れる?」

「やだ…話聞いて」

「ははっ、いいよ」

それから先生は真剣に優しく話を聞いてくれた。

先生ってこんなに温かい人だったんだ

こんなに優しい人だったんだ

ありがとね。先生。