「最短ルートで行けば高校の卒業式出さしてくれるって」 「まじ?」 今は五月のはじめ、11ヶ月後は三月だ。 コウたちは高校三年。 最短で行けば卒業式に出られるよう、レイはこっそり理事長にお願いしていたのだ。 もちろん、コウのために。 『生徒会メンバーも、学校も大切だし……!』 そう言ったコウのために。 「絶対卒業式でようね」 「あぁ、ありがとう、レイ」 レイの行動の理由はそれだけで十分だ。