温かい春の日差し。
小さい花畑の甘い香り。
砂場で遊ぶ子供達。




春になると満開の桜が咲いている、桜ノ【サクラノ】公園。




木々が少し揺れ、桜の花びらが数枚散っていく。
ベンチに座り、子供の様に足をばたつかせながら、颯【ハヤテ】を待っている。




今日は待ちに待ったデート。
時間が経つにつれ、尋常じゃ無い位早くなっていく鼓動。




雑誌に載っていた、人気№1のメイクをしてきたし、今流行なネオンカラーのピンクワンピを着てきたから大丈夫。




心の中でそう聞かせながら、胸に手を置きゆっくりと息を吸い、吐き出すと少しずつ緊張が解かれていく。




颯まだかな。
携帯を開いて時刻を確かめると、13時30分。
今集合時間になった所か。




「よっ」


「はっ颯!!」




颯の黒長い髪が風で揺れ、八重歯を見せる無邪気な笑顔で私の後ろに居た。