手術室からチューブだらけのさっちゃんが出てきた。

「さっちゃん!聞こえる?!」 病院中に響き渡るアタシの声‥
「婚約者の方ですね?お話がありますのでこちらにどうぞ」 手術着の医師に個室に誘導される。
ドクッ

全身の血流が止まる感覚‥ 嫌だ…話なんて聞きたくない‥
「率直にいいます。頭を強く殴られた跡があり、脳挫傷しています。出血量も多く手は尽くしましたが今日明日がヤマです。もし回復したとしても何らかの障害が残るでしょう‥」 淡々と話す医師の声は途中からほとんど耳に入らなくなった。

さっちゃんが死ぬ‥? 嘘でしょ?

アタシは立ち上がってさっちゃんの元に急いだ。