「だよなぁ~…」 虚しくさくらの木の下には誰も居なくてさくらの花びらが ヒラヒラ と舞っているだけだった。 華がせっせと前足でさくらの木の下を掘り出した。 やっぱオマエはハナさんの犬の子どもなんぢゃねぇの?お母さんの匂いがすんのか? 華は掘り続けたケド何も出てくる気配もなく時間だけが過ぎて行った。 「華、帰っか?」 帰り道、ふんわりと春風が吹いてハナさんが走り去った時のような甘い香りがボクを酔わせた。