♪♪♪♪♪~ 毎日何度も鳴る携帯電話。今までほとんど鳴らなかったのに、こんな時に活躍するなんて皮肉なもんだ。 相手にしないでいるとしまいには充電が切れてしまった。

ピンポーン ピンポーン

今度はチャイムが鳴り響く‥ 華が吠える。 何度も鳴るチャイムと吠える華の声― 騒音に耐え切れずボクは立ち上がった。 その瞬間視界がぼやけて意識が遠のいた…



「さっちゃん‥何でこんな姿になってんの‥?」 泣きながらボクを見つめている顔… ハナだった。

ハナの顔を見た瞬間にボクの中で封印が解け、様々な感情が一気に解き放たれる。 思いっきりハナを抱きしめた。 「さっちゃんゴメン‥アタシの帰る場所はアイツしか無いと思ってた。でもアタシ気付いたんだ…さっちゃんが‥好き」

『ボクもハナが好き‥ アイシテル‥』

声に出ていたのかは分からない。ただこの気持ちを精一杯抱き締めて伝えた。