「さっちゃんゴメン…」そう言ってハナは涙を流した。 何してんだよ!誰の為の涙だよ!何しに行ったんだよ! 言いたい事は色々あった。色んな感情が莫大な怒りに変わってボクは震えずにいられなかった。タバコを持つ手も震え何度もタバコを落としてしまう。すごくイライラして、このイライラを誰にぶつけたらいいのか…頭が爆発しそうだった。 冷静になりたくてたまらない。

「離婚したくて…届けを‥持って‥行っ‥‥た」嗚咽で上手く喋れないハナの言葉を冷静に聞くように努めた。
「そしたら‥殴られて‥怖くて逃げようと‥したら‥アイツ泣きながら謝って‥結局‥ハンコもらえなかった‥アタシ…やっぱダメだ‥」 その後ハナは何も話さなかった。 何がダメなの? 聞こうとしたけどやめた。ハナは苦しんでいる。ボクには何ができる?アナタは巣に帰りたいの? もう思考回路がショートしてしまった。 何も考えたくない。
「今日はもう寝よ。顔ちゃんと冷やしなよ?」
ボクはそう言ってベッドに潜り込んだ。