今日の閉店は午前3時だった。帰ろうと店から出ると‥舞が店の前のガードレールに寄りかかっていた。 「え?あ‥舞ちゃん、なんでこんなトコに?」 「待ってたんだよ~‥ 何かさ~ほっとけなくて… 今日話してた事‥事情はわかんないけど、行って欲しくないんだぁ~」舞がうつむきながら言った。 「姫のトコに行くの‥?」真剣な目でボクを見つめる。 うん ボクは静かに頷いた。 「ぢゃあさ‥‥玉砕したら舞を選んで欲しいんだ。舞、サクヤくんの事マジだからね!嫌じゃなかったら舞を選んで?」 かすかに震えながら真っ直ぐな瞳でボクを見つめる舞。この瞬間、そんな舞を心から愛おしく思えた。思わず舞を抱きしめていた。 「あの人はそんなんじゃないんだ。恋とか愛とか‥ でも救ってあげたい。だからボクは行くね?」 コクン 舞はゆっくり頷いた。 ボクたちはタクシー乗り場まで手を繋いで歩いた。