「華、行ってくるかんな!」 ボクはいつもより少し早くバイト先に向かった。 今日はハナさんに会いに行くと決めていた。 それはコンパに行く前から決めていたコト。 以前通ったルートでハナさんの店の前まで来た。二回目だけどやっぱり緊張する。 また心臓が暴れ出す。グッと拳を握って店に入った。 「いらっしゃいませお客様。」 カウンターの店員が声を掛けてきた。 ボクはこの後どうしたらいいのかオロオロしていると 「本日はご指名ございますか?」 営業スマイルを見せながら、店の女の子たちが載っているパンフのようなモノを出してきた。 ボクはそれを開かずに 「ハナさんお願いします。」 と微妙に震えながら言った。 店員は少し間を置いて 「申し訳ございません。ハナちゃん、辞めたんですよ‥でもウチには他にもいっぱいイイコいますから‥」 ボクは最後まで店員の話を聞かず店を出た。 完全に終わった…もう会う手段が無い。もっと早く来てれば良かった‥ 後悔だらけだった。