「ボクを覚えていませんか?」 恐る恐る聞いてみる。 ハナさんは風呂場でマットを用意し、石鹸を泡立てている。「お客さん、前にも来てくれた?ハナ、初めてだと思ったんだけど~ ごめんなさい」 やっぱ覚えてないよなぁ~ ハナさんの手の泡からしゃぼん玉がひとつ、ふたつと舞い上がる。 ハナさんの腕や足には無数の痣があった。 以前マミさんが言っていた事を思い出し、それがハナさんだった事がわかる。 「その痣、どうしたんですか?」 思わず聞いてしまった。