薄明るい待合室でボクの心臓はドタバタと暴れていた。 どうしよう‥ 逃げようか‥ でもハナさんに逢えたのはまぢで嬉しい。話もしたい。でもこの状況… バイトも行かなきゃヤバい… 忙しく色々考えていると「お待たせ致しました」と声を掛けられ男性に案内される。緊張で手はびっしょり濡れている。 ガチャ 小さな個室のドアが開けられる。 中には三つ指をついた女性がいた。 「ご指名ありがとうございます。ハナです。よろしくお願いします。」 そう言って顔を上げた。 あの日のハナさんがフラッシュバックする。本当に同一人物なのか? 同じハナさんなはずなのに嫌悪感さえこみ上げてくる。何か嫌だ‥ 目の前のハナさんは嫌だ‥ ボクの本能がそう言っていた。