それから、少しして私は退院した。
「杏・・・もう大丈夫?」
「うん。お母さん・・もうあんな事しないから・・。学校にもちゃんと行くし。」
「そう。じゃあもう大丈夫ね。」
「うん。」 

もう大丈夫。私には、こんなに心配してくれる温かい人たちがいるんだもん。
今日は、もう疲れたから早く寝ることにした。
次の日の朝、眠かったけど、昨日お母さんと約束したから学校に行くことにした。
あの日の傷は、リストバンドで隠して・・・。

━タッタッタ

「・・・・お母さん・・おはよ。」
「あら・・杏!!おはよ!!今日は、大丈夫??」
「・・うん。」
「朝食は??」
「今日は、早く行きたくって・・・。」
「そう。じゃあ、行ってらっしゃい!」
「・・・行ってきます。」

━ガチャ

お母さんと話すの久しぶりかも。今までいらいらしちゃって話せなかったけど、よく考えればそんなにいらいらしないよね。
これからは、たくさん話せそう。

━ガラ
久々の学校なんか緊張するなーー。まあ、今まででも、友達とかいなかったしいいんだけどねー。
「・・・・・・・・・」
なにこれ、私が入ってきてなんかしらけた?まあ、いっか。
「今まで来てなかったのにねーー。」
「なんでいまさらきたのーー??」
全部聞こえてんだって!そんなにあたしに来てほしくないのかよ!!
はぁーーーーーーーー。こなければよかったなーー。
これから毎日こんな日々がつずくのかーー。
ちょっとやだなーー・・・。

━キーンコーンカーンコーンー

長ったらしい授業の終わりを告げるチャイムが鳴った
はー・・・。やっと帰れるよ。今日は早く帰ろう・・・
私が用具をかたずけて立とうとした時
まだかたずけていなかった、筆箱が机から床に音をたてながら落ちた
当然誰も拾ってくれるはずがなく、自分で拾をうとしたのに
筆箱が私じゃない手に持ちあげられた。