砂漠の夜の幻想奇談


この何気ない発言に、王子達が仰天した。

「く、口づけ!?どういうことだサフィーア!」

「まさか!ボク達のために身体の取引をしたの!?お兄ちゃん、そんな子に育てた覚えはないよ!?」

「いや、お前が育てたわけじゃないだろ。コスティ」

「口づけなんて破廉恥な。許しません」

「あんな危ねぇ野郎に近寄るな!」

「こっちおいでっ」

「え…あっ、その…」

みんな言いたい放題だ。

視線で威嚇しつつ、大事な妹を捕獲してダハナシュから遠ざける。

「おやおや、これはまた…。どうしたものか」

クスクス笑っているが、ダハナシュは鋭利な眼差しで姫の十二の番犬を見た。

「姫が可愛らしいから過保護になる気持ちはわかるが……今の王子方は男としてとても見苦しい」