砂漠の夜の幻想奇談


「姫の力量では四、五年かかるかもな」

ダハナシュがさらにグサッとくることを言ってきた。

「でもよ、十四年もこんな暮らししてんだから、後何年かかろうと平気だぜ?」

双子の片割れ、アドニスがニシッと笑う。

「そうそう!気長に待つよ」

マリノスも笑顔をくれた。

「兄上…」

サフィーアは十二人の兄達を一人一人見つめた。

皆、「頑張れ!」という風に頷いてくれる。

敵意剥き出しだったソティリオでさえも、しぶしぶ頷いてくれた。

サフィーアに十二人の運命が託される。

「ありがとうございます!信じて待ってて下さいね!」

早速、国に帰ったら服作りだ。

そう意気込んでいたらダハナシュが思い出したように付け加えた。


「ああ、それからもう一つ。姫、服作りを始めたら十二枚仕上げるまで、絶対に話したり笑ったり泣いたりしたらいけないぞ。いいな」