砂漠の夜の幻想奇談


「半分の、存在…?」

意味がわからず見上げれば、女は艶やかに笑んだ。

「サフィーアという小娘はな、我が契約をして造り出した存在だったのだ。我の魔力により生まれた人間。今、その小娘を消したであろう?だから小娘から生まれた小娘も、存在の半分が消えたのだ」


自分には理解力がそこそこあると思っていたシャールカーンだったが、彼女の話には頭がついていかなかった。

「意味が……わからない…。存在が、消えた…?ならサフィーアは…どこへ消えた…?」

「消えたのだ。この世界から、完全に。元からいない存在となったのだ」

無情にも突き付けられた言葉は、サフィーアが突然消えた現実をシンプルに示していた。


「………お前は…誰だ?」


この問いに、女は嬉々として答える。

「我が名はマイムーナ。魔神の女王である」