砂漠の夜の幻想奇談


すると窓辺に、豪奢な衣装を纏った背の高い女性が現れた。

「お前!!お前が我の十二人の王子達を奪った!魔法が解けたのはお前のせいだ!!」

いきなりやって来た女性は憤怒の形相でサフィーアを指差す。

「お前の存在は王子達を代償に我が造り出してやったもの。彼らが我の前から消えた今、契約は白紙に返そうぞ!!」

刹那、サフィーアの身体が淡く光り出した。

「え?やっ!何!?」

「サフィーア!?」

驚いたシャールカーンがサフィーアに触れようとする。

しかし――。


「っ!?」

彼の手はサフィーアの身体を突き抜けた。

よく見れば、サフィーアの身体が透けているのがわかる。

「い、いや!!いやぁああっ!!シャール!!!!!」

「サフィーア!!!!」

伸ばされたサフィーアの手は、指先からキラキラした光の粒子となり――。


「サフィーアぁあああああ!!!!!!!!」


一分も経たぬうちに、彼女の全ては光となって四散した。