砂漠の夜の幻想奇談



 さて、兄達の魔法も解けてめでたしめでたし。

これにて語りはオシマイ――というわけにはいかなかった。


「シャムス~、おいで~」

「あー、ははうーえ~」

寝室にて、娘を抱き上げるサフィーア。

「一緒に寝ましょうね」

午後、お昼寝の時間。

サフィーアは寝台にシャムスエンナハールを寝かせた。

と、そこへ。

「おや、今からお昼寝?」

「しゃーう!」

父親、シャールカーンの登場にシャムスはガバリと起き上がった。

「シャールだよ。言ってごらん。シャール」

「しゃーる!」

「よし!よく言えた」

褒めて頭を撫でてやるシャールカーン。

夫と娘のやり取りを微笑ましく眺めていたサフィーアだったが、ハッと我に返る。

「シャール、お仕事は?」

「今は休憩時間だよ」

「本当に?」

「うたぐり深いな。本当さ」