「ああ。ただし、羊から毛を刈り、糸を紡ぐことから完成に至るまで全て姫一人の手でやらねばならないぞ。誰かが手伝っては意味がなくなってしまう」
ダハナシュの提示した条件に、サフィーアは微笑んでみせた。
「わかったわ。兄上達を助けるためだもの。それくらい一人でやってみせるわ」
「サフィーア…引き受けてくれるんですか…?」
エリアスが恐る恐る尋ねた。
彼の顔には「無理してませんか?」と書いてある。
「もちろんです兄上。少し時間がかかるかもしれませんが、頑張って十二枚編んでみせます!」
自信満々に言い切ったサフィーア。
しかし、護衛官は知っていた。
「ですが姫…編み物、苦手でしたよね…?」
「カシェルダ…!言わないで!決まらないじゃない!」
堂々とかっこよく宣言したのにカシェルダの一言で台なしだ。
恥ずかしさでサフィーアの頬が赤くなる。



