「カシェルダ!本当にもう戻らないつもりか!?」
「はい。申し訳ございません」
王との対面が終わり、今度は養い親であるカムルトスに会いに行ったカシェルダ。
しつこく引き留められることは覚悟していたが、案の定一時間も粘られている。
流石にそろそろ決着をつけたい。
カシェルダは咳ばらいをしてから真っ直ぐカムルトスを見つめた。
「団長、私を拾って今まで育ててくれて、ありがとうございました。勝手は承知ですが、私は自分の本当に成すべきことを見つけたのです。そのために、ここを離れます」
「カシェルダ…」
揺るがない瞳を見てカムルトスの表情が切ないものへと変わる。
「私……いえ、俺は…自分の本当の父親を父親だと思ったことは一度もありませんでした。昔も今もこれからも……貴方が、貴方だけが俺の父親です」
実子であるルカスと同じように接してくれた。
子供に愛情を注ぐ人だった。



