王になる決意をしたカシェルダだったが、まだやることがあると言って、もうしばらく弟にその役目を任せた。
さて、彼はバグダードを出て自分の雇い主がいるコンスタンチノープルへやって来た。
「何?サフィーアの護衛を辞めたい?」
「はい」
アフリドニオス王に謁見を申し込めば、すぐに通された。
広間で対面し、コンスタンチノープルの王に深く頭を下げる。
「私はある事情により、サフィーア姫の傍にいることが敵わなくなりました。ですから、共にダマスへ行った残りの部下を後任に据えたいと思います。お許し、いただけないでしょうか」
「理由はなんだ?ハッキリ申してみよ」
決して怒ってはいないが鋭い指摘に、カシェルダは冷や汗をかく。
「……遠くへ、行くのです。もうコンスタンチノープルにも…戻れないでしょう」



