砂漠の夜の幻想奇談


ガチョウの呪い。

夜の間は人間でいられるが、日のある時刻はガチョウの姿になってしまうという迷惑極まりない魔法。

彼らは、魔神マイムーナが自分達を逃がさないためにこのような呪いをかけたと説明した。

「魔神は週に一度だけ、ここにやって来る。この塔は魔神が用意した俺達の檻だ」

渋い表情で語るニコラオス。

「檻と言っても、外に出られるようですが…?」

カシェルダの疑問には次男のディノスが答えた。

「夜のうちに逃亡しようと思えばできます。しかし、近くの町についてガチョウの姿になってしまったら、それこそ命取りです」

「イスラム教徒って鳥肉は食べるんだもん。怖いよね」

コスティがブルッと身震いする。


ようするに、町でガチョウになると食材として捕まる危険があるため、下手に動けないということらしい。