ダリラ自身も殺されそうになったが、生き残った娘を抱えて王宮から脱出。
彼女はバグダードの実家にいた姉に娘を託すと、王妃バドルに復讐するため綿密に計画を立てたのだった。
「私は復讐のために、まず容姿を変えたんですよ」
自分で自分の顔に刃を突き刺した。
沢山の切り傷で酷い顔になれば、誰も王に寵愛されていた元側室だとは気づくまい。
それから王宮で侍女として働き始めた。
元来貴族に生まれ、王の側室とまでになったダリラにとって、侍女の仕事をするのは苦痛の極みだったが、復讐のためならばと言い聞かせた。
「それで…貴様は殺したのか?俺の祖母を」
「ええ。呆気なかったですよ。詳しくお知りになりたいですか?」
ニヤニヤ笑うダリラに吐き気がしてカシェルダはそっぽを向いた。
「遠慮する。気分が悪い」



