先々代というと、カシェルダやシャールカーンの祖父に当たる。
「貴様まさか…アブドゥル王の側室だったのか…!?」
アブドゥル・アル・ネマーン。
オマル王の父であった彼も多くの女性を後宮に迎えていたが、子供は二人だけだった。
息子であるオマルと、娘のフェトナーだ。
「そうさね。昔はもっとマシな容姿をしていましたから、私は側室としてアブドゥル王様の御子を生んだのですよ」
懐かしむように老婆は語る。
「双子でしたねぇ。息子と娘…。けれど……あの女に、殺されたっ!!」
ダリラが憎んでも憎み足りない「あの女」とは、アブドゥル王の正妃だったバドル王妃。
彼女は自分の息子オマルを次代の王にするべく、邪魔な王子達を暗殺していった。
ダリラの息子も誕生して一年と経たずに狙われ、殺害された。



