すると、突然ダリラが笑い出した。
何が可笑しかったのか、狂った調子で手を叩く。
カシェルダは顔をしかめた。
「不愉快な笑いだな。何が可笑しい?」
「ふふふっ…誤解して下さるな。私は王太后様の助けなど、これっぽっちも望んでおりませんよ。むしろあの方のために死ねるなら本望というもの」
「………解せないな。貴様は切られたんだぞ?憎くないのか?」
アッサリ見捨てられたというのに、ダリラの表情には絶望や怒りの色がない。
突き付けられた死を恐れぬこの態度には何か裏があるのでは、と疑り深いカシェルダは思ってしまう。
「憎いだなんて……ただただ可愛い。私の大切なゾバイダ様…。私の愛しい娘」
「は…?」
今、最後に聞き捨てならない単語を聞いた。
「娘…?」
おうむ返しに言えば、ダリラは口を開けてニカッと笑んだ。
「娘、その通り!あの子は私と先々代の王の血を引き継ぐ、れっきとした王族なのですよ!」



