意地が悪いのはわかっている。
けれど、足は勝手にそこへ向かった。
王宮内の地下牢――。
薄暗いそこで、カシェルダは小さなランプの明かりに照らされた老婆の顔を見下ろした。
「貴様の死刑が決まったぞ」
「ふんっ…わざわざ言いに来るとは…。貴方様はお人が悪いねぇ」
鉄格子の隙間から、ニタリと笑うダリラの表情が見える。
「俺の性格が最低なのは今に始まったことじゃない。こんな自分は大嫌いだが、今更直せなくてな」
悪びれることのない第一王子を横目でギロリと睨むと、老婆はペッと唾を吐いた。
「やれやれ…。こうなるならあの時、追いかけてでも殺しておくんでしたよ」
十二年前の犯行を認める口振り。
とうとう本音が出たかと、カシェルダは鼻で笑う。
「残念だったな。後悔したところで貴様は終わりだ。頼みの綱の女主人も助ける気はないようだしな」



