砂漠の夜の幻想奇談


ディノスの指摘にコスティはハッとした表情になった。

「そうだった…!ゴメンね、サフィーア」

「あ、いえ…」

そそっとサフィーアから降りた一番歳の近いコスティ。

彼はまだ十代のようだ。


「止めるな、ディノス兄さん…!私は…私はっ」

苦悩を顔に表すソティリオ。

彼の気持ちを理解できるからか、ディノスも長男のニコラオスも複雑な表情をしている。

そんな兄弟達を黙って見ていた魔神ダハナシュが、おもむろに口を開いた。


「王子方よ。サフィーア姫を殺したら、その魔法は一生解けないぞ」


「な、に!?」

驚いたソティリオが剣を下ろす。

「ガチョウの呪いが解けるのか!?」

ニコラオスが食い入るようにダハナシュを見つめた。