砂漠の夜の幻想奇談


と、冗談はこのくらいにして、シャールカーンは本題を切り出した。

「兄上、報告があります。よろしいですか?」

「なんだ?」

「罪人への処分が決まりました。アフマードは死刑です」

死刑と聞いてもカシェルダは眉一つ動かさない。

当然の報いだと言うように尊大な態度で腕を組む。


カンマカーンの死を知った時、カシェルダは少なからず怒っていた。

この件に関しては彼もシャールカーンと同じ気持ちなのだ。


「ブドゥール王太后とあの偽者は都から追放します」

「妥当な処分だな。で?ダリラはどうなった」

一番気になる相手の名前を口にする。

するとシャールカーンが言いづらそうに話し出した。

「ダリラは…未遂とはいえ、王子殺害を企てたゆえに死罪となります。ただ証拠が…」

「ないと刑に処せないのか?被害者の俺が証言しても足りないと?」