追い詰められて苦しい状況の中、偽者は必死で逃げ道を探した。
そして、小さな突破口を発見する。
「はっ、はは……お、おかしいじゃないか、その報告書。売られた買われたの詳細がハッキリしてるのに、どうして第一王子は王宮に連れ戻されなかったんだ?報告書が本物なら、第一王子はとうの昔にここに帰っていたはずだろう!?」
痛いところを突かれ、シャールカーンは黙り込んだ。
報告書は「ダマスで王子を発見したから連れ帰る」という内容のもので終わっている。
ゆえにその後、ダウールマカーンがどうなったのかはわからない。
どう反論しようかシャールカーンが悩んでいると、カカーンがキッパリとした口調で述べた。
「第一王子は連れ戻されたはずです!間違いなくっ」



