視線を泳がせ言いづらそうに口ごもるサバーに対し、シャールカーンは柔らかい笑みを送った。
「続けよ」
「はい…。その…貴族(アミール)カカーン様が私のところで奴隷を購入する際に、私の傍にいたかの少年を気に入られまして…いくらでも金を出すから譲ってくれと、それはもうしつこかったものですから、私はとうとう了承して彼を売ることに致しました」
「そうか。どうやら真実のようだな。この報告書には、すでにお前がカカーンに第一王子を売っていた、とある。……今のサバーの話に否定するところはあるか?カカーン」
シャールカーンはちらりと広間の隅を見遣った。
皆も一斉に王の視線を追う。
「ファドレディン・ベン・カカーン殿、前へ」
王の命令に、カカーンはビクリと肩を震わせた。
そして、やや背中を丸めてサバーの隣までやって来た。



