砂漠の夜の幻想奇談


初めて会う兄達を目の前にドキドキと心臓が高鳴る。

サフィーアは周りにいる十二人の男達を見回した。



「か、カワイイ!!!!」

「え?はうっ!?」

いきなり膝に乗っていた兄がサフィーアに抱き着いた。

「姫!?ご無事ですか!?」

「う…うん」

危うく後ろにひっくり返りそうになったサフィーアを心配して、カシェルダが椅子を支える。

「コスティ、やめないか」

一番背の高い兄がサフィーアに抱き着く弟を制した。

「でも、ニコラオス兄さん。カワイイんだもん。仕方ないじゃん」

コスティと呼ばれた兄がサフィーアにほお擦りする。

その仕種はまるで猫のようだ。

「コスティがすまないな。俺はニコラオス。長男だ」

背の高い黒髪の兄が自己紹介。

年長者なだけあってサフィーアから見たらおじさんだ。